ミルグラム実験とは?残酷なことでも権威に従う心理

ミルグラム実験とは?

ミルグラム実験とは、アメリカ・イェール大学の心理学者のスタンリー・ミルグラムが1950年代~1960年代に行った実験で、教師役が生徒役に問題を出し、間違うたびにじょじょに強い電気ショックを与えていくというもの。

生徒役はサクラで実際には電流は流れませんが、苦しむ演技をします。 

ミルグラム実験は、人は残酷なことであってもどこまで権威者の命令に従うかを検証した実験です。

ミルグラム実験は別名『アイヒマン実験』

ミルグラム実験は別名『アイヒマン実験』と呼ばれています。

アイヒマンとは、ナチス政権下において、アウシュビッツ強制収容所へユダヤ人の移送を指揮していたアドルフ・アイヒマンのことです。

アイヒマン人類史上まれに見るユダヤ人の大量虐殺を行った人物なので「恐ろしい大悪人なのだろう」と思われていました。

しかし、裁判が始まると、アイヒマンは出世好きの官僚的な性格の小役人だったことが明らかにされたのです。

ミルグラムはなぜこんな人物に残虐な行為が指揮できたか疑問に思いました。

それをきっかけにして行われたのがミルグラム実験になります。

ミルグラム実験の詳細

ミルグラムは地元紙の広告欄を利用して被験者を募りました。

集められた被験者は教師役と生徒役に分かれますが、真の被験者は教師役のみで生徒役はサクラです。

教師役となった被験者は、まず45ボルトの電気ショックを自ら体験します。生徒役となった者がこれからどの程度の傷みを感じるのかを認識させておくためです。

教師役と生徒役はそれぞれ別々の部屋に通されます。

部屋にはマイクとスピーカーがあり、お互いの姿は見えませんが声は聞こえる状態です。

教師役は生徒役に問題を出題し、生徒役が問題を間違うたびに、 より強い電流を流すように後ろに控えている研究者から命令されます。

電気ショック発生装置についてですが、

左から順番にもっとも軽微な15ボルトから命の危険性もある450ボルトまで電流が流れるボタンが30つ付いています。

ボタンの下に

  • 軽い電撃
  • 中位の電撃
  • 強い電撃
  • 強烈な電撃
  • 激烈な電撃
  • 超激烈な電撃
  • 危険:過激な電撃

と記載されています。

実際は生徒役のサクラには電流は流れておらず、「ギャー!」などの叫び声がスピーカーから聞こえるようになっています。

電圧が上がることに生徒役の悲鳴は大きくなります。

教師役は、隔てた部屋で生徒役が電気ショックを受けて苦しんでいると信じている状態になります。

しかし、研究者は続けるように命令します。

教師役が命令を拒否すると実験は終了になります。

ミルグラム実験を行った結果

40人の教師役のうち26人が命じられるまま最大450ボルトの電気ショックを与え続けました。

教師役は命令を拒否しても何か罰があるわけではありません。

それにも関わらず、約65%の被験者が権威者に最後まで服従し続けました。

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This article was updated on August 20, 2022