援助行動モデルとは:人が緊急事態から援助行動を取るまでの過程

「人が助けを求めている」「大変なことになっている」ことを認識しても、人が援助行動を起こすまでにはいくつかの心理的なステップがります。

傍観者効果を提唱したラタネとダーリーは、 人が緊急事態から援助行動に至るまでの過程には次の5つの段階に分けられると考えました(援助行動モデル)。

以下のステップをすべてクリアして、初めて人は援助行動を起こします。 

1.異常事態に気付いたか?

そもそも異常事態が発生していることに気づかなければ、だれも援助しようと思わないだろう。

2.緊急事態だと認識したか?

人は何らかの事態が発生していることを認識しても、それが緊急事態だと認識しなければ援助行動を取りません。

しかし、緊急事態はそれほど頻繁に起こるわけではないので、緊急事態かどうかは周囲を見て判断することになります。

そこでみんな落ち着いていて行動を起こしていなければ、緊急事態ではないと認識するため、判断を誤ることがあります。これを集合的無知と言います。

3.援助を行うことは自分の責任だと感じたか?

援助行動を取るためには、自分に援助をすべき責任があると認識する必要があります。

しかし、人が多いと困っている人を見かけても「自分が助けなくても他の誰かが助けるだろう」という心理が働き、援助行動への義務感が薄れます。

4.援助を行うための具体的方法を知っているか?

たとえ援助の必要があると認識していても、援助をするための具体的な方法が分からなければ行動を起こすことができません。

人は緊急事態に陥るとパニックになります。

警察に連絡したり救急車を呼んだりすることも気づかずに何もしないこともあります。

また、海でおぼれている人を見つけたけど、自分は泳げない。あるいは助けようとしても自分も一緒におぼれてしまうことも援助行動を抑制する原因になります。

5.実際に援助を行うことに決めたか?

最終的に援助に踏み切るためには援助をすると決断する必要があります。

その際、

  • 自分が間に入ることでかえって良くない結果になるのではないか?
  • トラブルに巻き込まれるのではないか?
  • 自分の勘違いかもしれない?

などネガティブ要素があると、援助行動を起こしにくくなります。

This article was updated on July 31, 2022