sinrigaku (12)

ミルグラム実験とは?残酷なことでも権威に従う心理

ミルグラム実験とは? ミルグラム実験とは、アメリカ・イェール大学の心理学者のスタンリー・ミルグラムが1950年代~1960年代に行った実験で、教師役が生徒役に問題を出し、間違うたびにじょじょに強い電気ショックを与えていくというもの。 生徒役はサクラで実際には電流は流れませんが、苦しむ演技をします。 ミルグラム実験は、人は残酷なことであってもどこまで権威者の命令に従うかを検証した実験です。 ミルグラム実験は別名『アイヒマン実験』と呼ばれています。 アイヒマンとは、ナチス政権下において、アウシュビッツ強制収容所へユダヤ人の移送を指揮していたアドルフ・アイヒマンのことです。 アイヒマン人類史上まれに見るユダヤ人の大量虐殺を行った人物なので「恐ろしい大悪人なのだろう」と思われていました。 しかし、裁判が始まると、アイヒマンは出世好きの官僚的な性格の小役人だったことが明らかにされたのです。 ミルグラムはなぜこんな人物に残虐な行為が指揮できたか疑問に思いました。 それをきっかけにして行われたのがミルグラム実験になります。 ミルグラムは地元紙の広告欄を利用して被験者を募りました。 集められた被験者は教師役と生徒役に分かれますが、真の被験者は教師役のみで生徒役はサクラです。 教師役となった被験者は、まず45ボルトの電気ショックを自ら体験します。生徒役となった者がこれからどの程度の傷みを感じるのかを認識させておくためです。 教師役と生徒役はそれぞれ別々の部屋に通されます。 部屋にはマイクとスピーカーがあり、お互いの姿は見えませんが声は聞こえる状態です。 教師役は生徒役に問題を出題し、生徒役が問題を間違うたびに、 より強い電流を流すように後ろに控えている研究者から命令されます。 電気ショック発生装置についてですが、 左から順番にもっとも軽微な15ボルトから命の危険性もある450ボルトまで電流が流れるボタンが30つ付いています。 ボタンの下に と記載されています。 実際は生徒役のサクラには電流は流れておらず、「ギャー!」などの叫び声がスピーカーから聞こえるようになっています。 電圧が上がることに生徒役の悲鳴は大きくなります。 教師役は、隔てた部屋で生徒役が電気ショックを受けて苦しんでいると信じている状態になります。 しかし、研究者は続けるように命令します。 教師役が命令を拒否すると実験は終了になります。 40人の教師役のうち26人が命じられるまま最大450ボルトの電気ショックを与え続けました。 教師役は命令を拒否しても何か罰があるわけではありません。 それにも関わらず、約65%の被験者が権威者に最後まで服従し続けました。 1 ミルグラム実験とは?残酷なことでも権威に従う心理 2 スタンフォード監獄実験とは?人が役割に染まる心理 3 ボボ人形実験とは?人は観察学習(モデリング)をすることを明らかにした実験 4 攻撃手がかり説とは?武器があると攻撃したくなる心理 5 敵意帰属バイアスとは?相手の言動に敵意があると解釈する心理 6 社会的比較理論とは?人が他人と比較をする心理 7 心理学とは何か? 8 援助行動モデルとは?人が緊急事態から援助行動を取るまでの過程…

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集団凝集性とは?集団を維持、発展させるためには欠かせない要因

集団凝集性とは? 集団凝集性とは、集団と個人の結びつきの強さのこと。 集団のメンバーを集団に引き付ける「求心力」や「動機付け」などです。 集団凝集性が強ければ、メンバーの一体感が強いグループになります。 すなわちチームワークが優れ、集団の目標に対しては協力的、離脱者を防ぐことができます。 集団を維持、発展させるためには、集団凝集性を強化することが重要になります。 集団凝集性は次の2種類があります。 対人凝集性とはメンバー同士が好意を抱いていることで、集団に留まらせる魅力。 課題達成的凝集性とは「ここにいれば自分の夢が実現できる」と感じることで集団に留まらせる魅力。 集団凝集性を高めるためには、対人凝集性と課題達成的凝集性の両方を満たす必要があります。 集団凝集性の高い集団ほど「グループの結束を乱したくない」「メンバーから嫌われたくない」という心理が働きます。 すなわち集団凝集性の高い集団ほど同調圧力が働くため、集団で決めたことに対して多様な視点から批判、反対することができなくなります。 その結果、集団浅慮が発生しやすくなります。 集団浅慮とは、集団において決めることが個人で決めることよりも劣る現象です。 集団で決めたことを適切に判断することができないことが原因です。 集団浅慮が起きると致命的な判断ミスを起こすことにつながります。 事実、企業の不正会計やデータ改ざんなどが起きる原因は集団浅慮によるものです。 集団浅慮が起きる原因は、集団凝集性の高い場合のほか、集団が外部から孤立している、リーダーが権力を持ちすぎている場合に起きやすい。 集団浅慮を避けるためには、異なった意見や建設的な批判を受け入れて、じっくり検討するなどの配慮が必要です。 1 集団凝集性とは?集団を維持、発展させるためには欠かせない要因 2 ミルグラム実験とは?残酷なことでも権威に従う心理 3 スタンフォード監獄実験とは?人が役割に染まる心理 4 ボボ人形実験とは?人は観察学習(モデリング)をすることを明らかにした実験 5 攻撃手がかり説とは?武器があると攻撃したくなる心理 6 敵意帰属バイアスとは?相手の言動に敵意があると解釈する心理 7 社会的比較理論とは?人が他人と比較をする心理 8 心理学とは何か? 9 援助行動モデルとは?人が緊急事態から援助行動を取るまでの過程 10 傍観者効果とは?困っている人がいても見て見ぬふりをする心理 11 自己責任とは?自業自得だと助けようとは思わない心理 12 アッシュの同調実験とは?人が多数派に流される心理

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アッシュの同調実験とは?人が多数派に流される心理

同調とは? この記事で解説している「同調」の意味は、 他に調子を合わせること。他人の意見・主張などに賛同すること。 同調(どうちょう)の意味 - goo国語辞書 になります。 「長いものには巻かれろ」ということわざがありますが、人は「自分も皆と同じでありたい」という心理があります。 自分も皆と同じであることで、安心することができるからです。 仲間外れにされることを避けることができます。 だから人は何かを判断するとき、周りの人に同調する傾向があります。 ときには明らかに誤りであっても多数派に同調することがあります。 この同調行動についてですが、社会心理学者のアッシュが興味深い実験をしていたので紹介します。 その実験は、多数の人が間違った回答をした場合、被験者はそれに同調するかを調べるというもの。 実験は次のようなものでした。 カード1に描かれた線と同じ長さのものを、カード2に描かれた3本の線の中から被験者に選んでもらいます。 カード2に描かれた3本の線の長さはそれぞれ明確に異なっていて、普通は間違えようがない問題です。 実験には8人の学生が参加しましたが、この中の7人がサクラで、全員が「A」という誤った回答をします。 サクラ全員が回答をしたあとに真の被験者が回答をします。 7人のサクラが全員誤った回答した場合、被験者による誤答率は32%になりました。 一人のときは間違えない問題でも、 全員が誤った回答を選ぶと、自分も流されることが明らかとなりました。 1 アッシュの同調実験とは?人が多数派に流される心理 2 集団凝集性とは?集団を維持、発展させるためには欠かせない要因 3 ミルグラム実験とは?残酷なことでも権威に従う心理 4 スタンフォード監獄実験とは?人が役割に染まる心理 5 ボボ人形実験とは?人は観察学習(モデリング)をすることを明らかにした実験 6 攻撃手がかり説とは?武器があると攻撃したくなる心理 7 敵意帰属バイアスとは?相手の言動に敵意があると解釈する心理 8 社会的比較理論とは?人が他人と比較をする心理 9 心理学とは何か? 10 援助行動モデルとは?人が緊急事態から援助行動を取るまでの過程 11 傍観者効果とは?困っている人がいても見て見ぬふりをする心理 12…

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自己責任とは?自業自得だと助けようとは思わない心理

自己責任とは 「自己責任」について辞書で意味を引くと「自己責任とは自分の行動の責任は自分にあること」とあります。自己責任(じこせきにん)の意味 - goo国語辞書 この自己責任についてですが、人は困窮する原因が本人にある場合は助けようとは思わず、困窮する原因が本人にない場合は助けたいと思う心理があります。 例えば、ギャンブルにハマって自己破産をした話を聞いても、「自業自得」と思うのではないでしょうか。 その一方で、親から虐待を受ける子供の話を聞くと、同情して助けたいと思うのではないでしょうか。 この心理について、パメラ・ドウリーがある実験を行いました。 パメラ・ドウリーは、自己責任の心理について250名の学生を対象にして実験を行いました。 その実験は次のようなものでした。 学生にHIVと診断された患者についての物語を読んでもらいます。 患者は複数出てきますが、HIVに感染した経路がそれぞれ異なります。 物語を読み終わったあと、その患者を助けたいと思うかアンケートを取りました。 すると、輸血が原因でHIVに感染した患者は助けたいと回答する者が多かったのに対し、性交渉やドラッグが原因でHIVに感染した患者は助けようとは思わないと回答する者が多かったことが分かりました。 ここから人が困っている人を助けたいと思うかどうかは、その事態が起きた原因がどこにあるかが大きな判断材料になっていることが明らかになりました。 1 自己責任とは?自業自得だと助けようとは思わない心理 2 アッシュの同調実験とは?人が多数派に流される心理 3 集団凝集性とは?集団を維持、発展させるためには欠かせない要因 4 ミルグラム実験とは?残酷なことでも権威に従う心理 5 スタンフォード監獄実験とは?人が役割に染まる心理 6 ボボ人形実験とは?人は観察学習(モデリング)をすることを明らかにした実験 7 攻撃手がかり説とは?武器があると攻撃したくなる心理 8 敵意帰属バイアスとは?相手の言動に敵意があると解釈する心理 9 社会的比較理論とは?人が他人と比較をする心理 10 心理学とは何か? 11 援助行動モデルとは?人が緊急事態から援助行動を取るまでの過程 12 傍観者効果とは?困っている人がいても見て見ぬふりをする心理

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傍観者効果とは?困っている人がいても見て見ぬふりをする心理

傍観者効果とは 傍観者効果(ぼうかんしゃこうか、英語: bystander effect)とは、社会心理学の用語であり、集団心理の一つ。ある事件に対して、自分以外に傍観者がいる時に率先して行動を起こさなくなる心理である。傍観者が多いほど、その効果は強力なものになる。 傍観者効果とは何? わかりやすく解説 Weblio辞書 傍観者効果が起きる原因は3つあります。 他者が積極的に行動しないことによって、事態は緊急性を要しないと考える 他者と同調することで責任や非難が分散されると考える 行動を起こした時、その結果に対して周囲からのネガティブな評価を恐れる キティ・ジェノヴィーズ事件とは、1964年、ニューヨークの住宅街で起こきました。 キティ・ジェノヴィーズという女性が深夜に自宅アパートの前で暴漢に襲われ、刺殺された事件です。 彼女の叫び声をあげ、犯行は30分続きました。 付近の住民38人がこの事件に気づいたのにもかかわらず、誰一人彼女を助けようとする者はおらず、警察に通報する者もいませんでした。 後に犯人は「あいつ(目撃者)はすぐ窓を締めて寝るだろうと思ったが、その通りだった」と裁判で述べました。 なぜ住人たちは女性を助けなかったのでしょうか。 当時のマスコミは「大都市特有の冷淡さや他人への無関心さが背景にある」として、この事件を大々的に報道しました。 しかし、心理学者のラタネとダーリーは、多くの目撃者がいたことで、みんな見て見ぬふりをしたと推測しました。 ラタネとダーリーは「多くの人が気づいたからこそ、誰も行動を起こさなかった」と考えてある実験を行いました。 その実験は、討議を行っている最中に参加者が発作を起こした時、被験者はすぐに助けを呼ぶかどうかというもの。 詳しく説明します。 被験者である学生を相手の様子が分からない個室に通します。 部屋にはマイクとインターフォンがあり、これを使って議題についての意見を述べるよう指示されます。 討議中に、別の部屋にいる参加者の1人が発作を起こす演技をして、インターフォンで助けを求めます。 この実験では参加者は2名、3名、6名のグループに分けて集団討論会を行いました。 実験の結果、参加者が2人の場合は、全員が3分以内に外にいる研究者に事態を報告したのですが、 6人の場合では4分経過しても60%の人しか報告しませんでした。 ラタネとダーリーが行った傍観者効果の実験によって、多くの人がいるときほど、人は援助行動を起こしにくいことが証明されました。 キティ・ジェノヴィーズ事件は大都市特有の冷淡さや他人への無関心さが背景にあるから誰も助けなかったのではなく、多くの人が見ていたために誰も助けなかったことが明らかになりました。 キティ・ジェノヴィーズ事件を繰り返さないためには傍観者効果が発動してしまわないような社会システムを作ることが重要になってきます。 1 傍観者効果とは?困っている人がいても見て見ぬふりをする心理 2 自己責任とは?自業自得だと助けようとは思わない心理 3 アッシュの同調実験とは?人が多数派に流される心理 4 集団凝集性とは?集団を維持、発展させるためには欠かせない要因 5 ミルグラム実験とは?残酷なことでも権威に従う心理 6 スタンフォード監獄実験とは?人が役割に染まる心理 7 ボボ人形実験とは?人は観察学習(モデリング)をすることを明らかにした実験…

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